カウンセラーに求められる守秘義務と例外

守秘義務が発生している

企業や病院、そして学校などあらゆる場所で、
悩める子どもや大人の話を延々と聞き、
適切な場面で適切なアドバイスを送る仕事。

これがカウンセラーという職業です。
もっともカウンセラーといっても、
対象へのアプローチの方法は十人十色ですし、
対象が子どもか大人か、現場は学校か会社か、
施設かでその方法はさらに違ってきます。

ただ、ひとつだけ共通していることがあるとすれば、
話した秘密を口外してはならないこと、
すなわち守秘義務が発生していることです。

「この間、こんな客が来て……」とtwitterなどでつぶやくのはどの職業でも論外ですが、
人の秘密を握っているといっても過言ではないカウンセラーがこれをしたら、
信頼は地の底まで落ちます。

友人に漏らしても、家族に漏らしても同様です。

対象となる相手は、誰にも言えないことを
勇気を振り絞ってカウンセラーに打ち明けたのですから、
それを他人に言うということはあってはなりません。

ただ、守秘義務にも例外はあります。
むしろ、話さなければならない場面がいくつかありますので、
2点ほど紹介します。

守秘義務の例外

まず、他の機関との連携が不可欠な場合。

例えば、不登校の生徒をカウンセリングした場合、
原因がネグレクト等の劣悪な家庭環境にあるのなら
児童相談所と連携をとる必要があります。

カウンセラーは直接児童相談所と連絡をとる権限はありませんが、
学校の先生や民生委員などに連携を促すことは可能です。

事態を解決するためには、
ある程度の事をケース会議の場で話すことは認められています。
ただ気をつけなければならないのは、
適応障害や精神疾患が原因だった場合です。

精神科に行け、と言う権限はカウンセラーはもちろん学校の先生にもありません。
そういう場合はカウンセラーではなく、
責任者、すなわち学校が保護者にそれとなく匂わすこともあるようです。
(あまり良いことではありませんが、
学校側は保護者と信頼関係を十分に築けたら、
ズバッと言ってしまう事例もあります)

もう1点は、カウンセリングを通じて聞いた話が緊急性を要する場合。

クライアントが死に至る場合や
(前述のネグレクトも、酷い場合はこの部類に入ってしまいます)、
殺人予告など、すぐに対処しなければならない場合は、
守秘義務よりも本人や周りの安全が最優先され、
適切な機関に通報・連絡をしなければなりません。

ただ、本当に守秘義務を破る必要があるのか、
慎重にアセスメントを進めることが前提です。

自殺願望が強いクライアントを例に挙げますが、
家族や病院に連絡・通報するには以下の事を確認する必要があります。

「死にたい」という意思を実際に口に出しているか
自殺未遂を起こしたりリストカットを繰り返しているか
強い抑うつの傾向が見られるかアルコールや薬物の依存症にかかっているか
形見分けや自殺計画など、
具体的なことを考えているか話を聞いて適当なことを言っているだけだと
思われがちなカウンセラーという職業ですが、
実際は、話を聞いて「何が問題かを即座に分析し」、
適当な「助言や指導、場合によっては通報・連絡」を熟慮した上で行う、
とてもハードで奥深い職業ということが判っていただければ幸いです。